頼りない夜に一つの光を

愛しきアイドルたちよ、幸せであれ

『BLUE』な気持ちを唄え。

 

NEWSの年末年始のライブが決まった。

様々な立場にある様々な思いを抱えている方もいらっしゃるのは承知の上だったけれど、私はどうしようもないNEWSファンだから、東京ドームを「夢の場所」だと瞳を輝かせて語る優しい笑顔の増田さんや、初めて『Strawberry』を聞いた時「聖なる4合わせの庭 咲き誇る白い花」というフレーズから、QUARTETTOでNEWSの合図で会場を真っ白なペンライトで灯した景色を思い出して、嬉しくて幸せで泣いた。

 

 

 

NEWSへの想いを募らせながら、歴代MVを見た。楽曲と記憶が直結するタイプの私は、これまで買ってきたシングル曲たちに想いを馳せ、その時感じた気持ちや懐かしい風景を思い出したりしていた。

そうして歴代MVを順に追っていったら『BLUE』に辿り着いた。そういう意味で『BLUE』は私に色んな気持ちを連れてくるし、発売日の朝の澄んだ空気と人もまばらな駅のターミナルは今でも鮮明に思い出せる。それくらい、私にとって『BLUE』は特別思い入れの強い楽曲だ。

引きずりたい訳じゃないけれど『BLUE』を聴いて思い出す気持ちや景色は、たぶんこれからもずっと忘れられないし、忘れたくないから、ここに書き記すことにする。

 

 

 

 

 

 

・特別を運ぶ『BLUE』

私は2013年のMUSIC DAYで『渚のお姉サマー』を披露したNEWSに惹かれ、今に至る。そのタイミングでファンになった私がリアルタイムで初めて買ったNEWSのシングルは、ブラジルW杯テーマソングに起用された『ONE -for the win-』だった。そして『BLUE』もロシアW杯のテーマソングという繋がりから、NEWSのシングルを初めて買った時の、わくわくとしたどこか新しい気持ちを思い出しながら予約をした。あれからもう4年も経ったんだなぁという感慨深い思いを抱きながら。

 

 

・切なさを帯びた『BLUE』

その一報を知ったのはバイトの休憩中だった。いつも通りの調子で開いたTwitterは様々な声で溢れていて、暗い髪色で頭を下げる小山さんを見た。正直、何が起こっているのかを受け入れたくない自分がいた。理解は追いついてきたけれど気持ちが全く追いついてこなくて、接客なんてもうできない、今は笑えそうにない、早く家に帰りたいとすら思った。そんな状態でも休憩が終わる時間は確かに迫っていて、無理矢理取り繕った笑顔で残りのバイトを乗り切った。そうしてなんとかバイトを終え、お店を出た瞬間に堰を切ったように泣き出してしまった。人目もはばからずに涙を流した。止まらなかった。やっと叶えたはずの4合わせを手放してしまうことになるんじゃないか、『BLUE』が最後のシングルになってしまうんじゃないかと思うとたまらなかった。

 

 

・希望と覚悟の『BLUE』

やりきれない思いを抱えながら毎日を過ごす中でも『BLUE』発売中止という知らせは届いてこなかった。思い立った私は自分が足を運べる範囲の何店舗かのCDショップで『BLUE』の追加予約をした。「NEWSを1位に」という願いよりも、変わらずNEWSを応援している証、揺るがないNEWSへの気持ちをどうにかして形にしようと必死だった。そんなことをしなくてもNEWSが大好きであることに変わりはなかったと思うけれど、あの時の私はそうすることでやりきれない思いを救っていたんだと思う。祈るように、すがるように、『BLUE』に希望と覚悟を託して。

 

 

・始まりを告げる『BLUE』

『BLUE』の発売日当日に遠く離れた地に住むNEWS担の友達と会うことを約束していた私は、フラゲ日である前日、夜行バスに乗り込もうとしていた。準備をすませ家を出ようとしていた時、小山さん活動再開の知らせを受けた。その夜、それまでの沈黙を破るかのように4人一斉に更新されたJohnny's  Webをバスの中で読んで、仕切られたカーテンの中の狭い座席でこっそり泣いた。やがてバスの消灯時間になって、フラゲして早速iTunesに取り込んだ『BLUE』を聴きながら、iPodを抱きしめるようにして眠った。

発売日当日の早朝、降り立った駅のターミナルは人がまばらで静けさが辺りを包んでいて、不思議なくらい空気が澄んでいた。弱くない雨が降っていたけれど、何かを洗い流してくれているような気分になって、傘はささずにまっすぐ歩いた。長かった夜がやっと明けて、新しい朝が始まった。そんな気がした。

 

 

・約束の『BLUE』

「15周年記念ライブ」と銘打ったStrawberryで1曲目に歌われた楽曲は、メジャーデビュー曲である『希望 〜YELL〜』でもなく、4人で再始動して初めてリリースした『チャンカパーナ』でもなく、『BLUE』だった。何かの決意表明を示すかのように掲げたタオルを持ちながら、一心に前を向いて登場したNEWSの姿を見て、やっぱり涙が止まらなかった。それまでは滑稽な程に必死で見えていなかったけれど、祈るように、すがるように『BLUE』を追加予約をした日も、つらくて悲しくて苦しかった梅雨も、全てはこの瞬間のためにあったんだと思った。勝手に報われたような気持ちになって、『BLUE』は再会の約束の印だったんじゃないかと、勝手に想像しては止まらない涙でぼやける視界を懸命に拭って、ステージに立つNEWSの姿を目に焼き付けた。

 

 

・色褪せない『BLUE』

9月21日に放送された「ザ少年倶楽部PREMIUM NEWS15周年結成スペシャル」内の、20分超にも及ぶシングルメドレーで最後に歌われた楽曲は『BLUE』だった。NEWSの歴史を感じることのできるメドレーを締めくくる楽曲が『BLUE』であることをなんだか誇らしく思った。そして、今なお『BLUE』が披露できる場があることを、番組が続いていることをありがたく思った。

 

 

 

 

 

 

正直、あんなことがなかったら『BLUE』はもっと売れていたと今でも思ってしまう。売れるだけの魅力が詰まった楽曲で、多くの人が耳にするであろうW杯のテーマソングという後押しもあり、NEWSにとってはひとつの指標である「20万枚突破」を達成する大きなチャンスだったとも思う。今さら過ぎたことを言っても仕方ないけれど、"NEWSファン"というある種特殊な感情を抜きにしても『BLUE』という楽曲そのものに心底惹かれていた私はすごく悔しかった。

でも、だからこそ、次シングルである『「生きろ」』が初週20万枚を売り上げたことが本当に嬉しかった。20万枚という壁はもちろん、NEWSが自ら課してしまった壁を、それでも乗り越えなければならなかった壁を、たくさんの人の想いをのせて越えたように思ったから。

 

きっと、『BLUE』はそんな壁を越えるために吹いた、ひとつの追い風だったんだ。

 

 

 

 

NEWSの歩む未来に "青空" が広がっていることを願って、今日も私は『BLUE』を聴く。