頼りない夜に一つの光を

愛しきアイドルたちよ、幸せであれ

それは優しくて綺麗な物語。

2023年8月9日に発売されたNEWSのベストアルバムNEWS EXPOに収録されている、増田さんが自ら作詞を手がけた増田さんのソロ曲である『hanami』がNEWSファンの間で話題になっている。らしい。というのも、私はフラゲが出来なくてやっと受け取れたのが9日の夜、初めてアルバムを聴けたのは10日の出勤中だった。TLも全然追えていなくて、色とりどりな魅力を放つ楽曲もそれぞれのソロ曲へのネタバレも踏むことなく、電車の中で初めて全楽曲を聴いた。

オリジナルアルバムの最後に収録されているのが増田さんのソロ曲で、聴いている途中から涙が止まらなくなってしまって、仕事終わりまで待ちきれずに出勤中に聴いたことをとても後悔した。

 

増田さんの柔らかな歌声で綴られたその物語は、これ以上ないほどに優しくて綺麗だった。

 

私は以前、NEWSが作詞を手がけた『クローバー』についてのブログを書いた時、増田さんが作詞をしたパートについてこう言及していた。

今回だけに限らず、増田さんが綴る言葉にはなんとも言い難い不思議な魅力があるなぁと思う。例えるなら、解釈が難しく受け手によって違う色を魅せる、柔らかな絵で溢れている絵本のような。ふわふわしてて陽だまりみたいに優しくて、心の奥にずっと大切にしまってあるであろう純粋でまっすぐな想いを、抱きしめるように伝えてくれる。

『hanami』という楽曲は、ただ表面的に受け取るのであれば"まだ出会ってもいない自身の子供へのラブレター"のように聞こえる。増田さんが「将来自分の子供(女の子)につけたい名前はもう決めてある」と以前言っていたことは強烈に記憶に残っている。今回、このタイミングで「渡すこともしてない 最初のプレゼント」をそっと私たちに教えてくれたともとれる。

自分の子供につける名前を、子供にあげる「最初のプレゼント」と表現する増田さんの深い愛情に泣けてしまう。最後の「大切にしてね」という歌詞カードには記載されていない台詞は、最初にあげた唯一無二の一生物のプレゼントを大切にしてくれたら嬉しいという気持ちなのかもしれない。

 

そもそもこの楽曲のテーマ自体が「もしNEWSじゃなかったら」の"Different Lives"の世界の話なのかもしれないとも思ったけれど、それはつまりNEWSでいることを選んだ今の人生では「子供を持つ」というあったかもしれない未来を諦める、全てをNEWSに捧げるともとれて。けれど「シゲと小山とずっと一緒に歌っていたい」という増田さんの可愛くてどこか切ない願いは、きっとそんな悲壮感が漂うものじゃなくて、純粋な増田さんの想いで、飾り気のないまっさらな嘘偽りのない気持ちで。NEWSひいてはアイドルという仕事に対して並々ならぬ覚悟を抱いている増田さんが、加藤さんに「アイドルに対してのプライドが半端じゃない」とまで言わせる増田さんが、NEWSでいることを選んだ今の人生にそんな悲壮感を背負わせたりはしないだろうと思う。

だから私は『hanami』は"NEWS"と"まだ出会ってもいない君"を織り交ぜた物語なのではないかと思った。

歌詞のあちこちに「9月」「20歳」などとNEWSを彷彿とさせるようなワードが散りばめられていることからも想像がつくけれど、NEWSがこれから辿るであろう未来がこうだったら良いなという思いと、まだ見ぬ自身の子供への思いを織り交ぜた、ノンフィクションとフィクション。

 

今は少し始まる季節が変わってしまったけれど、私は未だに春といえばNEWSのツアーという印象が強くて。桜を始めとした色とりどりの花が咲き始める優しい風が吹く季節に、NEWSに会えるのがとても嬉しかった。とっても居心地が良くていつまでもこの季節が続いたら良いのにと思うように、春ってNEWSみたいだなぁと思ってた。だからと言っては何かもしれないし、こじつけのように聞こえるかもしれないけれど「花見の風 見渡せば団欒の戀が溢れる」から連想されるのは、ライブという場所だなぁと思うのは思い上がりかな。増田さんが立つステージから見渡す会場は団欒の戀が溢れている、なんて都合の良いことを考えてしまう。

NEWSというグループの道のりは決して平坦ではなくて、先の見えない暗闇、けれどいつかは明けるまるで「夜」のような時期を過ごすこともあった。そんな時に「寄りかかったり 明るくしてくれる」のは、ファンという存在だったんじゃないか、なーんて思うのはさすがに調子に乗りすぎですかね。夜桜、なんて言葉もあるけれど、明るい昼間だけでなく夜も人が集まるお花見という団欒の戀が溢れる場所とNEWSというグループ、そして"まだ出会ってもいない君"の人生もそういう環境であってほしいという想い、それらを全部織り交ぜた気持ちなのかな、なんて思ってしまう。

 

お恥ずかしながら「橤」という漢字を初めて知ったんですけど、こころが3つあって、まるでNEWSみたいだなぁと安易に思ったりして。その心を支える"木"は、NEWSを支えるスタッフさんやNEWSを応援するファンを総称する"チームNEWS"だったりして。そんな風にNEWSというグループがこれからも育っていったら嬉しいな、という意味にも、自分を支えてくれる人がいるような、そんな温かい人達に囲まれるように育ってね、という"まだ出会ってもいない君"の人生を願うようにも聞こえる。

 

NEWSが20周年を迎えるこのタイミングで、『hanami』という楽曲を制作したこと。絶対にSNSをやらないと思っていた増田さんがインスタを開設し、初投稿が髭姿だったこと。なんだか全部繋がっているような気がして。以前雑誌で「歌をうたうってことに対しての思いが強いから(歌っている時は)すごくピュアな状態なんだよね。たぶん、歌をうたっている時が1番傷つきやすい。と語っていたことを思い出した。そして今回"大好きな歌"にのせて思いを伝えてくれた増田さん。

増田さんは「そもそもこのソロ曲を世に出すことをやめた方がいいかもしれない」と悩んだことをPersonで明かしていた。「自分の色が強過ぎて、これは果たして良い曲になってますか?」「ずっと不安だ」と。また別の雑誌では「僕がずっと思っていたことを、自分の年齢やNEWSが20周年というタイミングで伝えるのが良いかなぁと思って今回この曲を作った。この曲を聴いて、"あぁ〜そういう風に思っていたんだな"って感じてもらえれば。聴いてくれた人たちが喜んでくれたら良いなと思っています。」とも語っていた。

なんてまっすぐで綺麗な人なんだろうと思った。

通り一辺倒の受け取り方をされてしまえば、今までずっと大事に守ってきた"増田貴久"というアイドル像が揺らぎかねないはずなのに、不安に思いながらもそれでも増田さんはきちんと思いが伝わることを信じて「渡すこともしてない 最初のプレゼント」と一緒に、私たちに"今自分が思うこと"を自分の言葉でまっすぐに届けてくれた。どうしてそんな風に生きられるんだろうと、不思議に思う。増田さんが属するNEWSというグループの道のりは決して順風満帆ではなくて、時に悪意に晒されたり好奇の目を向けられたりして、そうやって20年という時を重ねてきた。増田さん個人としては思うことも色々あっただろうと邪推してしまうけれど、それでも増田さんが今尚思うのは「2人がどう思っているかわからないけど一緒にNEWSの歌を歌って来れてよかった」「2人がどう思ってるか知らないけど、ずーっと続くといいな😊😊😊」という純粋でまっすぐな思いであるということに胸を打たれてしまう。きっとそれはファンに対しても同じような思いでいてくれているんだろうと自惚れてしまう。増田さんはNEWSに関わる"人"もNEWSの"未来"も絶対疑わないし、それと同時にNEWSに関わる"人"もNEWSの"未来"を誰よりも信じているんだと思った。

 

だからこそ、増田さんの目に映るこの世界がどうかいつまでも美しくありますようにと願わずにはいられない。こんなにもまっすぐで純粋な思いでNEWSというグループに関わる全ての人や事象と向き合っている増田さんには、いつまでも美しい場所にいてほしい。そこにいなきゃだめだとすら思う。

 

ずっと大事にしていた、優しくて綺麗な物語を教えてくれて、ありがとう。大切な曲がまたひとつ増えたよ。だいすき。