頼りない夜に一つの光を

愛しきアイドルたちよ、幸せであれ

すべて抱え 進んでいく。

 

2020年17月23日、NEWSの頭文字をとってNEVERLAND・EPCOTIA・WORLDISTAと続き4部作と謳われたコンセプトアルバム・ツアーの最終章である"STORY"が完結した。

 

完結するまでには5年という月日が流れた。この5年間、本当にいろいろなことがあった。本当に。振り返ってみれば、心の底から楽しくて幸せでいっぱいだった記憶はもちろん、苦しくてやるせなくてどうしようもない思いをした時期も少なからず存在した。

ここでその全てを振り返ると表題の主旨から外れてしまうので今は割愛するが、圧倒的リアルな"STORY"を生きてきたNEWSと私たちがこの5年間の集大成としてSTORYを完結させたことは、偶然なんかじゃなく必然だったのではないかと思ってしまう。

 

4部作の最終章であったSTORY。それは思い入れも強く、特別なものだった。そして、本来であれば2020年に完結するはずだった。私にとってやっぱり特別だった"4人"のNEWSで、NEVERLANDから始まった夢のように美しいこの物語を終えるはずだった。けれど現実は残酷で、完結を待たずして、大好きだった手越くんはいとも簡単にいなくなってしまった。

 

ずっと見ないフリをしていたけれど、確かに予感はいくつもあった。2018年末あたりからなんとなく不穏な空気が流れていたり。NEWS RINGで綴られる手越くんの未来を語る言葉に勝手に不安になったり。ツアー中は特に距離が近く「シゲちゃんとは歌とか将来のこととかも含めて色んな話をする」と手越くんが語っていたりして、そういう意味では距離が近かった加藤さんが「この先色んなことが起きるだろうけど、NEWSにも自分にもそこに揺さぶられない強さが欲しい」と雑誌で語っていたり。メンバー全員で作詞した『クローバー』の手越くん考案パートの歌詞が思い出を振り返り感謝を述べるような、それでいて全て過去形だったことに気がつかないフリをしたり。

 

だからと言ってはなんだけれど、いつかはそうなってしまうんだろうなと勝手に思っていた。運命が動き出してしまったら、きっと誰にも止められない。だから前もって覚悟をしておこうと幾度となく思った。もし"その時"が来た時にダメージを最小限に抑えられるように、今のうちに防御力を上げておこうと思った。

けれどやっぱりそんな未来信じたくなくて、考えたくもなくて、永遠を願ってしまった。例え運命が動き出してしまったとしても、もしかしたらその運命を変えられるかもしれないと思ってしまった。"4人"のNEWSが本当に好きだったから。大好きだったから。オタクのエゴだとわかってはいたけれど、それでもやっぱりずっと一緒にいてほしかった。

 

けれどそんな願いも虚しく、手越くんはNEWSどころかジャニーズを去ってしまった。それも(私からすれば)最悪ともとれてしまう形で。メンバーとろくに話し合いも出来ないまま、そして増田さん・加藤さんと連絡すら取らないまま、いなくなってしまった。

それでも、退社後の手越くんの活動もしばらくは気にかけていた。"NEWSの手越祐也"は本当に好きだったから。薄っぺらく聞こえてしまうかもしれないし、ありきたりな言葉で説得力のカケラもないかもしれない。何より、普段から"Twitterのらんね"をフォローしてくださっている方々は、呟きの大半が加藤さんなので「加藤さんばかり」という印象が強いんだろうなという自覚はあるのですが。けれど、小山さんも増田さんも、手越くんのことだって、本当に心の底から大好きで。いつだって幸せを願ってる。

 

その気持ちがまだ残っていたから、会見も見た。Twitterやインスタ・YouTubeなどの活動も、しばらくはチェックしていた。その上で、私は「手越くんを(追いかけるという意味で)今後も応援する」という選択をすることを自らの意志で辞めた。

なんて薄情なんだろうと思った。あんなに好きだったのに。大好きだったのに。仮に自担である加藤シゲアキさんが「退社」という選択をしたとしても私は同じ選択をするのだろうか、と散々頭を悩ませて一向に出ない答えを無理矢理出そうともがいたりもした。

けれど、いくら考えてもわからなかった。答えは出なかった。だって、自担である加藤さんも、小山さんも、増田さんも、まだ"NEWS"でいてくれてるのだ。3人で"NEWS"というグループをこれからも守っていくことを約束してくれた。それなら、起きてもいないことについて考えることに時間を割くより、今この瞬間も「寂しい思いをさせてしまっているファンのために」と誠実に向き合ってくれる、真摯に想ってくれるNEWSを全力で応援しようと思った。

 

そう思ったのは心の底からの本心で、紛れもない自分の気持ちだったはずなのに、それからの私は"4人"のNEWSを振り返ることが全く出来なくなってしまった。あんなに飽きるほど観ていたLIVE DVDも観られなくなってしまって、そんな自分にひどく絶望した。

私はまだどこかで"4人のNEWS"にこだわってしまっているんじゃないか、"4人のNEWS"を超えるものはないんじゃないか、LIVE  DVDを見たら「やっぱり4人のNEWSが最高だった」なんて感想を抱いてしまうんじゃないか、そんな風に心のどこかで思ってしまっているから"4人のNEWS"をまだきちんと思い出に出来ないんじゃないか、そう気づいてしまってからは罪悪感でいっぱいになって、そんな自分のことが心底いやになった。3人はファンの手を取って一緒に前を向こうとしてくれているのに、そこまでしなくていいよと言いたくなるほどずっと誠実に寄り添ってくれているのに、こんな中途半端な気持ちでいる自分のことが本当に許せなかった。

帰って来てほしい訳じゃない。また4人でパフォーマンスをしてほしいと思っている訳でもない。「いつか」を願ったりしたことだって1度もない。想いは確実に3人に向いているはずなのに、3人のNEWSが応援出来ないのかと問われたら、絶対にそんなことはないと声高に即答出来るはずなのに、NEWSを守ってくれた3人が変わらず大好きなはずなのに、理性ではどうにも思い通りにいかない自分の気持ちも確かに存在していて、ずっと心が宙ぶらりんだった。

 

そんな微妙な私の気持ちを、STORYの申し込みが始まる時に小山担の友達に打ち明けたことがあった。その友達は「すごくわかるよ。私はこのツアーが終わるまでは、まだ少し、4人の影を見ていていいのかなって、自分を甘やかしちゃうことにした。もちろんいつだって"今"のNEWSを応援しているNEWS担だけど、4人のNEWSを応援していた私だって間違いなく存在したから」と言ってくれて、それにものすごく救われた。"4人のNEWS"に囚われていた自分を正当化してしまうようだけれど、そんな自分も下手にごまかしたりせずまっすぐに抱きしめてSTORYに参戦することで、本当の意味でようやく前に進める気がした。

そうして参戦したSTORYは、3人のNEWSは、言葉にならないくらい最高だった。こんな陳腐な言葉でしか表現出来ない自分の語彙を情けなく思うほどに、3人のNEWSだって俄然最強でハイパーでファンタスティックで、私の大好きな"NEWS"のままだった。自分でも単純だなと呆れてしまうけれど、STORYに参戦してから過去のLIVE  DVDも観られるようになった。

 

確かに、NEWSの歌を支えていた力強く圧倒的な存在感のある歌声はいなくなってしまった。ファンに囲まれて幸せそうに歌う姿が大好きだった、頼もしすぎる歌声はそこにいなかった。4つのピースが揃って初めて完成するはずだった地図のかけらを鳥に託して、男は二度と帰ってこなかった。

けれど間違いなくSTORYひいては4部作は"4人"の物語だった。大好きだったその人はステージにこそ立ってはいなかったけれど、ちゃんとそこにいた。私は、"4人のNEWS"をようやく綺麗な思い出にすることが出来たと初めて思った。

 

そういう意味で私が1番救われたのは、小山さんの立ち振る舞いだった。賢くて優しい小山さんは、そこにいた人を感じさせるようなことに対して微妙な気持ちになる人がいることをわかっていないはずがない。けれど、小山さんはMCでもパフォーマンス中でも、いつだって決して彼をいなかったことにしなかった。名前こそ出さなかったけれど、MCでもそういう話題になれば変に避けずに触れていたように思うし、『クローバー』の彼のパートだった部分は、まるで代わりに歌うかのように小山さんだけずっと口ずさんでいたり、胸を叩いてみたり手を広げたりして、彼の分までパフォーマンスをしてくれた。そんな小山さんに救われた人は、きっと私の他にもいるんじゃないかな、なんて思ったりもする。

 

正直、今の彼に対して何も思わないわけではない。小山さんは上記のようになかったことには決してせずひとつの思い出として触れてくれるし、増田さんも固有名詞こそ出さないものの(一度ゴチで名前を出してはいたけれど)「金髪」とか「俺の隣」とか、そういうふんわりとした言葉で彼が確かに存在していたことを思い出させてくれる。けれど、加藤さんだけは絶対に触れない。"彼"の存在を匂わせるようなワードすら言わない。「人数が減った」とか「YouTube見ろ」とか、そういった類の自虐は出来るのに、"彼"を思い出させるような話題は積極的に避けようとするし、決して口に出すこともないし、加藤さんの中では未だに生々しい傷として残っているんだなと感じて胸が痛くなる。まるであの時と同じだな、なんて思ってしまう。そんな加藤さんを見ているのは苦しくて、だからと言って話題にしてほしい訳ではなくて、この感情をあの時と同じようにまた私は上手く言葉に出来ないのだけれど、加藤さんの中に今はまだ色濃く残る傷が癒える日が、いつか来ればいいなとも思う。

 

 

加藤さんと彼のことを考えると思いが溢れて止まらないので、ひとつだけ。これだけ綴るのを許してほしい。

彼のパートを多く引き継いだ加藤さんの歌声が本当に格好良くて頼もしくて、色んな意味で彼に対して並々ならぬ思いがあるからこそあんな最高のパフォーマンスが出来るんだろうなと思ったこと、加藤さんの歌声の進化に胸が震えたこと、この先もきっとずっと忘れない。

やっぱり絶対的に抜群の安定感がある増田さんが多く引き継ぐんだろうなと勝手に思っていたけれど、その予想を遥かに裏切られる形で加藤さんが彼のパート、それも象徴的かつ印象的なパートを多く引き継いでいて、驚きと感動が同時にきて感情がパニックになった。

 

私が加藤担だから特に強くそう感じる部分も少なからずあるとは自覚しているんだけれど『U R not alone』や『FIGHTERS.COM』のフェイクを聞いて、何も思わない方が無理だった。だって、あの加藤さんだよ、って思ってしまった。『チャンカパーナ』や『恋のABO』のフェイクのキーが出ないことをあんなにいじられてた加藤さんが、しゃがれていることをむしろ自ら進んで自虐してた加藤さんが、彼にしか歌えないと思っていた高音パートを歌う日が来るなんて、正直想像も出来なかった。

 

NEVERLANDのツアー中に『BLACK FIRE』のキーが出ないんじゃないか、ということを心配する内容のメールがシゲ部に届いたことを受けて、そのことについて言及したクラウドを更新してくれた約4年前の加藤さん。自らを奮い立たせるような、本当に珍しく結構強気な内容を綴って「見ててね」と言ってくれて、でも(確か)名古屋公演で声を枯らしてしまって思うように歌えなくて、こっそり悔し涙を流していた、あの加藤さんが。「あの時、あんな強気なこと言ってたのに結局こうなっちゃって悔しくて情けない」と綴っていたあの加藤さんが、これほどまでに頼もしすぎる姿を見せてくれる日が来るなんて、あの頃の私には正直想像も出来なかった。今あの頃の私にいつかこんな未来が来ることを伝えても、絶対に信じられなかったように思う。

 

けれど、そんな加藤さんのそばでずっと一緒に歌ってくれて、誰よりも加藤さんの歌を認めてくれて、上手くなったって何度も褒めてくれて、変に上から目線で接することなくあくまでフラットな立場で一緒に切磋琢磨し合ってくれていたのは、間違いなく絶対に"彼"だった。「ねぇ知ってる?今の加藤さん、超ハイトーンのフェイクを歌ったりするんだよ」「超ハイトーンボイスを会場いっぱいに響かせる加藤さん、すっごくすっごく格好良いんだよ」「ずっとそばで見ててほしかったよ」「"シゲちゃん、ほんと歌上手くなったねぇ"って、まるで自分のことのように嬉しそうに、隣でまた笑ってほしかったよ」なんて、そんなことを思ってしまったりもしたけれど、そもそも彼がいたら加藤さんがそのパートを歌うことはきっとなかった訳で。なんて皮肉な運命なんだろうと思う。

 

 

 

ちょっぴり脱線してしまったけれど、4部作の最終章であったSTORYは、5年という歳月をかけてようやく完結した。けれど、NEWSの旅は、"STORY"は、これからも続いていく。

私は大好きな3人とまだまだ一緒に旅をしたい。きっとこれからも最高の景色を魅せてくれると、すでにワクワクとドキドキが止まらない。

 

色々あった。楽しいことも幸せなことも苦しいこともたくさんあった。それでも私は全て抱きしめて、NEWSと、共に前へ進んでいく。その一歩を今日、踏み出したばかりだ。